UPS機能付きポータブル電源の選び方|停電時の切り替え時間で比べる

ポータブル電源の停電時の切り替え時間。17機種すべてが10〜20ミリ秒 コラム

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停電しても、冷蔵庫やWi-Fiは止めたくない。そのための機能が、ポータブル電源の「UPS機能」です。停電を検知すると、10〜20ミリ秒ほどで内蔵バッテリーからの給電に切り替わります。

照明や冷蔵庫、Wi-Fiルーターなら十分です。ただ、一瞬でも電気が途切れると困るパソコンやサーバーには向きません。これはメーカー自身も注意書きに書いています。

ポータブル電源のUPS機能とは

コンセントにつないで充電しながら家電に給電しておき、停電したら内蔵バッテリーからの給電に自動で切り替える機能です。冷蔵庫をつないでおけば、夜中に停電しても朝まで冷やし続けてくれます。

この「充電しながら給電する」機能をパススルー充電と呼び、UPS機能はその上に成り立っています。モバイルバッテリーのパススルー充電と考え方は同じで、パススルー充電とは?で仕組みを説明しています。

専用のUPSと何が違うのか

違いは切り替えにかかる時間です。ポータブル電源は停電を検知してから10〜20ミリ秒かけて切り替わるため、その一瞬に電気が途切れても止まらない機器が前提になります。

メーカー自身もそう書いています。Jackeryは「0ms以内に切り替わるUPS機能ではありません」、EcoFlowはDELTA 3 Classicについて「本機能は、無停電電源装置(UPS)機能ではありません」、BLUETTIは「簡易なUPSモードのため、精密機器や医療機器の瞬断防止には使用できません」としています。サーバーや作業中のパソコンを守りたいなら、専用のUPSのほうが確実です。

機種ごとの切り替え時間

切り替え時間を公表している17機種は、すべて10〜20ミリ秒でした。いちばん短いのは10ミリ秒(0.01秒)で、6機種あります。0ミリ秒の機種はありません。

ポータブル電源の停電時の切り替え時間
各メーカーの公式製品ページより(2026年10月13日時点)。オレンジは10ミリ秒の機種。

呼び方は「UPS」「EPS」「停電時自動切り替え」など、メーカーによってさまざまです。

機種 容量 定格出力 切り替え メーカーの表記
Anker Solix C1000 Gen 2 1,024Wh 1,550W 約10ms 停電時自動切り替え
Jackery 1500 New 1,536Wh 2,000W 10ms UPS
公式に「0ms以内に切り替わるUPS機能ではありません」
エコフロー DELTA 3 Classic 1,024Wh 1,500W 10ms 停電時自動切替
公式に「本機能はUPS機能ではありません」
EcoFlow DELTA 3 Max Trolley 2,048Wh 2,200W 約10ms UPS
Anker Solix C2000 Gen 2 2,048Wh 2,000W 約10ms 停電時自動切り替え
Jackery 2000 New V2 2,048Wh 2,200W 10ms未満 UPS
BLUETTI AC240P 1,843Wh 2,000W 15ms UPS
公式に「簡易なUPSモード」
Anker Solix C1000 1,000Wh 1,500W 20ms UPS
Anker Solix F1500 1,536Wh 1,500W 20ms 停電時自動切り替え
Jackery 3000 New 3,000Wh 3,000W 20ms未満 UPS
Jackery 240 New 256Wh 300W 20ms未満 UPS
BLUETTI AC200PL 2,304Wh 2,000W 20ms UPS
BLUETTI AC70P 864Wh 1,000W 20ms UPS
公式に「簡易なUPSモード」
BLUETTI EB3A 268Wh 600W 約20ms EPS
Jackery 500 New 512Wh 500W 20ms未満 UPS
同じ公式ページに「0.01秒以内」の記載もある
Jackery 1000 New 1,070Wh 1,500W 20ms未満 UPS
BLUETTI AC2P 230Wh 300W 20ms UPS
公式に「精密機器や医療機器の瞬断防止には使用できません」
Jackery 3600 Plus 3,584Wh 3,000W – UPS
UPS使用時の最大出力は1500W
BLUETTI AC180P 1,440Wh 1,800W – 簡易のUPS
BLUETTI EP500Pro 5,120Wh 3,000W – UPS
BLUETTI AORA 100 1,152Wh 1,800W – UPS対応
Anker 521 256Wh 300W – 簡易的なUPS
Anker Solix S2000 2,010Wh 1,500W – 停電時自動切り替え
Jackery 2000 Plus 2,042Wh 3,000W – EPS
エコフロー DELTA 3 1000 Air 960Wh 500W – 停電時自動切り替え
公式に「UPS(無停電電源装置)機能ではありません」

※「-」は切り替え時間を公表していない機種です。

UPS機能付きポータブル電源の選び方

まず、つなぐ家電の合計W数を定格出力が上回るか

普段からつないでおく家電の消費電力の合計が、定格出力より小さいことが最初の条件です。超えると、停電の瞬間に過負荷で止まります。Jackery 3600 PlusのようにUPSとして使っている間は最大出力が1,500Wに下がる機種もあります。

次に、停電中に何時間使いたいかで容量を決める

容量は「消費電力×使いたい時間」を0.85で割って見積もります。冷蔵庫をつないでおくなら1日で約800Whを使う例があり、1,500Wh以上あると余裕が出ます。詳しい計算は防災用ポータブル電源の選び方で、停電1日に使う電力から逆算しています。

切り替え時間は最後に見る

10ミリ秒と20ミリ秒の差が問題になるのは、一瞬の停電で止まる機器をつなぐときだけです。照明や冷蔵庫なら、どちらでも差はまず感じないはずです。容量と出力が足りている機種の中で、短いほうを選べば十分です。

用途別のおすすめ5機種

容量の大きさごとに1台ずつ選びました。価格は楽天の価格です。

機種 向いている用途 切り替え 容量 楽天価格
Jackery 240 New Wi-Fiルーターや照明を守る小型機 20ミリ秒未満 256Wh ¥32,800
BLUETTI AC70P 安く始める中型機 20ms 864Wh ¥53,700
Anker Solix C1000 1,000Wh級の定番 20ミリ秒 1,000Wh ¥75,980
Jackery 1500 New 冷蔵庫をつなぎっぱなしにするなら 0.01秒以内 1,536Wh ¥149,800
EcoFlow DELTA 3 Max Trolley 家の中を移動させたいなら 約10ms 2,048Wh ¥159,980

1. Jackery 240 New|Wi-Fiルーターや照明を守る小型機

容量256Wh・定格300Wの小型機で、切り替えは20ミリ秒未満です。Wi-Fiルーターや照明のように消費電力が小さい機器を普段からつないでおく用途に向きます。今回の5機種でいちばん小さく、価格もいちばん安い機種です。

Jackery 240 New
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2. BLUETTI AC70P|安く始める中型機

容量864Wh・定格1,000Wで、切り替えは20msです。1,000Wh級より手前の容量で、定格1,000Wまでの家電を停電中も動かせます。BLUETTIは公式に「簡易なUPSモード」と書いているので、精密機器には使わないでください。

BLUETTI AC70P
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3. Anker Solix C1000|1,000Wh級の定番

容量1,000Wh・定格1,500Wで、切り替えは20ミリ秒です。定格1,500Wまでの家電が動き、冷蔵庫をつないでおく用途にも足ります。後継のC1000 Gen 2は約0.01秒ですが、楽天では価格を確かめられませんでした。

4. Jackery 1500 New|冷蔵庫をつなぎっぱなしにするなら

容量1,536Wh・定格2,000Wで、切り替えは0.01秒以内と今回の中で最も短い部類です。冷蔵庫を1日動かしてもまだ余る容量があります。Jackeryは「0ms以内に切り替わるUPSではない」と明記しています。

5. EcoFlow DELTA 3 Max Trolley|家の中を移動させたいなら

容量2,048Wh・定格2,200Wで、切り替えは約10msです。約21.2kgありますが、4輪キャスターで持ち上げずに部屋を移動できます。店頭限定の発売で、楽天では家電量販店が出品しています。

EcoFlow DELTA 3 Max Trolley
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UPSとして使うときの注意

つなぐ機器の合計が定格出力を超えないことと、データを扱う機器を頼り切らないことの2つです。ほかに、夏場に熱がこもる場所に置かないことも大切です。消費者庁はポータブル電源について、高温になる場所での使用・保管を避けるよう呼びかけています(消費者庁)。

よくある質問

ポータブル電源はUPS(無停電電源装置)の代わりになりますか?

照明・冷蔵庫・Wi-Fiルーターのように、一瞬止まっても困らない機器なら代わりになります。切り替え時間を公表している機種は10〜20ミリ秒で、0ミリ秒の機種はありません。Jackery・EcoFlow・BLUETTIは、データサーバーや精密機器・医療機器には使わないよう公式に書いています。

UPSとEPSの違いは何ですか?

どちらも停電を検知して内蔵バッテリーからの給電に切り替える機能です。ポータブル電源では呼び方がメーカーごとに違い、BLUETTI EB3AはEPS(約20ミリ秒)、EcoFlow DELTA 3 Classicは「UPS機能ではない」としたうえで10msの自動切替と書いています。名前より、切り替え時間と注意書きを見て比べるのが確実です。

切り替え時間がいちばん短い機種は?

Anker Solix C1000 Gen 2・Jackery 1500 New・EcoFlow DELTA 3 Classic・EcoFlow DELTA 3 Max Trolley・Anker Solix C2000 Gen 2・Jackery 2000 New V2の6機種で、約10ミリ秒(0.01秒)です。

つなぎっぱなしにしてバッテリーは傷みませんか?

メーカーはつなぎっぱなしの使い方を想定しています。Ankerは家電をつないだままでもバッテリー劣化を気にせず使えるとし、Jackeryは普段から冷蔵庫などに接続しておく使い方を案内しています。この記事の5機種のうち電池の種類を公表している機種は、どれも充放電の回数に強いリン酸鉄リチウムです。

UPSモードだと出力が下がることはありますか?

あります。Jackery 3600 Plusは、UPSとして使っている間の最大出力が1,500Wに制限され、停電になると通常の定格出力に戻ると公式に書いています。つなぐ家電の合計は、この上限の中に収めます。

デスクトップパソコンをつないでも大丈夫ですか?

メーカーの案内は分かれます。Jackeryはデスクトップパソコンを常時接続の例に挙げる一方で、データサーバーやワークステーションには接続しないよう書いています。作業中のデータを守りたいなら、0ミリ秒切り替えの専用UPSを使うのが確実です。

まとめ

ポータブル電源のUPS機能は、10〜20ミリ秒で切り替わる「簡易的な」無停電電源です。照明・冷蔵庫・Wi-Fiルーターなら十分役に立ち、サーバーや精密機器には向きません。つなぐ家電の合計W数と使いたい時間で機種を絞ってから、切り替え時間の短いものを選んでください。

参考資料

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