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モバイルバッテリーをコンセントにつないだまま寝てしまった。そんな朝に、火事にならないか心配になる人は多いはずです。
満充電のあとは、保護機能が充電を止めるのが基本です。一度つなぎっぱなしにしただけで、すぐ火事になるわけではありません。ただ、モバイルバッテリーの事故がいちばん多いのは充電中で、NITEと経済産業省は、寝ている間や外出中の充電を避けるよう呼びかけています。
満充電のあとは、保護機能が充電を止める
いまのモバイルバッテリーの多くには、過充電を防ぐ保護機能が入っています。Ankerの説明では、電池の残量を監視して、満充電に達すると自動で充電を止める仕組みです。
100%を超えて電気を流し続けると、異常発熱やガスの発生、膨張につながり、最悪の場合は内圧の上昇で爆発する危険があります(Anker)。これを止めているのが保護機能です。
Ankerは「就寝前に充電ケーブルを挿し、朝まで放置しても安全なのは、この機能が正常に働いているおかげ」と書いています。つまり、保護機能が正常に働いていることが前提です。古い製品や、落としたことがある製品、リコール対象の製品でも同じように働くとは言えません。
それでも、事故がいちばん多いのは充電中

2021〜2025年の5年間にNITE(製品評価技術基盤機構)へ通知されたモバイルバッテリーの事故は506件で、そのうち297件、約59%が充電中に起きています。
この数字は、読み方に注意が要ります。
- 「充電中」には、充電直後(充電後約1時間以内に起きたと考えられるもの)も含まれます
- 充電中に起きた事故の数であって、「つなぎっぱなしにしたこと」が原因だと分かった件数ではありません
- 297件のうち42件はリコール対象の製品でした
火事の原因で見ると、総務省消防庁の集計では、2025年のモバイルバッテリー火災482件のうち、原因が分かったもので多いのは外部衝撃(41件)と、高温の場所での使用・保管(23件)です(発火の原因)。落としたり、暑い場所に置いたりして傷んだ電池が、充電をきっかけに熱を持つこともあるので、充電中の事故が多いからといって、充電そのものが原因とは限りません。
寝ている間と外出中の充電は避ける
問題は、異常が起きたときにすぐ気づけないことです。NITEは「充電中に異常が発生した際、すぐに対処できるように」、外出時や就寝時の充電を避け、周りに可燃物のない安全な場所で充電するよう呼びかけています。
経済産業省も、充電したまま寝て、気がついたら発熱・発火していたという事故が起きているとして、なるべく起きていて様子を確認できる時間に充電するよう案内しています。
2025年1月には千葉県で、充電中のモバイルバッテリーから異臭と煙が出て、本体と周辺が焼ける火災が起きました。この製品はリコール対象でした(NITE)。起きているときなら、においや煙で気づいて対処できます。
充電するときに気をつけること
- 起きていて、家にいるときに充電する:NITE・経済産業省の案内どおり、寝る前や外出前には充電を始めない
- 周りに燃えるものを置かない:布団やソファの上、かばんや布の中は、熱がこもるので避ける
- 時々様子を見る:いつもより熱くないか、においがしないかを確かめる
- 終わったらケーブルを抜く:そのまま何日もつないでおかない
- リコールを確かめる:506件のうち69件はリコール対象の製品でした。手元の製品はリコール一覧で確かめられます
- PSEマークと事業者名を見る:PSEマークの見方
こんな状態なら、充電をやめる
NITEは、次のような異常は発火につながるリスクが高くなっているとして、充電や使用をやめて販売店やメーカーに相談するよう案内しています。
- 充電できない
- 不意に電源が切れる、急に充電残量がなくなる
- 充電中に以前よりも異常に熱くなる
- 膨らんで、変形している(膨らんだときの扱い)
- 焦げたにおいや化学薬品のようなにおいがする
- 落とす、ぶつけるなどで強い衝撃を与え、一部が変形や破損をしている(落としたときの判断)
煙や火が出たら
煙や炎が噴き出している間は、絶対に近寄らないでください。NITEによると、モバイルバッテリーのようにポケットに入る大きさのものは、火花が収まったら消火器や大量の水で消火できます。消火後も熱を持っているので、できるだけ水に沈めた状態で消防機関へ通報します。難しいと判断したら、身の安全を確保して119番です。
寝る前につながなくて済むように
寝ている間に充電するのは、充電に時間がかかるからという人も多いと思います。入力が速いモデルなら、帰宅してから寝るまでの間に終わります。
| 製品 | 容量 | 本体の充電時間(公表値) |
|---|---|---|
| Anker Prime Power Bank(27650mAh, 250W) | 27,650mAh | 約37分(2ポートで最大170W入力) |
| Anker Prime Power Bank(20000mAh, 200W) | 20,000mAh | 約75分(最大100W入力) |
| サンコー TKMB26HBK-BT5000 | 5,000mAh | 約1.5時間(12V/1.5A) |
| MOTTERU MOT-MB20001 | 20,000mAh | 約3時間(PD30W) |
各社の公表値。その入力に対応した充電器とケーブルを使ったときの時間です。
つないでいる間の様子が数字で見えるモデルもあります。UGREEN Nexode Wavyは画面に温度が出て、エレコムのHealth Monitorは充放電の回数から電池の状態を判定して、ランプの色で知らせます。ほかのモデルは使った回数や温度が見えるモバイルバッテリーに載せています。
よくある質問
モバイルバッテリーを充電しっぱなしにすると火事になりますか?
満充電になると保護機能が充電を止めるのが基本で、つなぎっぱなしにしただけですぐ火事になるとは言えません。ただ、NITEの集計ではモバイルバッテリーの事故506件のうち297件が充電中に起きています。異常に気づけるよう、起きているときに充電してください。
寝ている間にモバイルバッテリーを充電しても大丈夫ですか?
NITEと経済産業省は避けるよう呼びかけています。充電したまま寝て、気がついたら発熱・発火していたという事故が起きているためです。なるべく起きていて様子を確認できる時間に、周りに燃えるもののない場所で充電してください。
一晩充電しっぱなしにしてしまったら、どうすればいいですか?
ケーブルを抜いて、本体が異常に熱くないか、膨らんでいないか、においがしないかを確かめてください。異常があれば使うのをやめて、販売店やメーカーに相談します。
過充電防止機能があれば安全ですか?
満充電で充電を止める機能ですが、正常に働いていることが前提です。落として傷んだ製品やリコール対象の製品もあるので、機能があるからといって寝ている間や外出中の充電が勧められているわけではありません。



