モバイルバッテリーが熱い!大丈夫な発熱と危険な発熱の見分け方

2025年のモバイルバッテリー火災の原因。外部衝撃41件に次いで高温下での使用・保管が23件 コラム

※本記事にはプロモーション(アフィリエイトリンク)が含まれます。詳しくは広告・アフィリエイトについてをご覧ください。

モバイルバッテリーを充電していて本体が温かくなると、故障や発火が心配になります。ただし、充電中にある程度の熱を持つこと自体は異常ではありません。

問題は、正常な範囲を超えているかどうかです。目安は「手で持ち続けられるか」と「使っていないときにも熱いか」の2つです。

充電中に温かくなるのは正常

リチウムイオン電池は、充電するときも放電するときも内部で電気を通します。このとき電気抵抗によって熱が発生するため、動作中に温かくなるのは避けられません。

特に急速充電に対応した製品では、扱う電力が大きくなるぶん発熱も大きくなります。PD(Power Delivery)対応の高出力モデルで、充電中にほんのり温かい程度であれば、通常の動作の範囲です。

また、スマートフォンを充電しながら自分も充電するパススルー充電では、入力と出力が同時に行われるため発熱しやすくなります。仕組みについてはパススルー充電とは?パススルー中は出力が下がる製品もあるで解説しています。

危険な発熱の見分け方

次のような状態は、正常な発熱とは言えません。いずれかに当てはまる場合は使用を中止してください。

手で持てないほど熱い

触れ続けられないほどの熱さは、正常な充電では通常起こりません。安全に手を伸ばせるならケーブルを抜き、周りの燃えやすいものをどけてください。煙が出ている、シューという音がする、膨らみ続けているといった場合は触らずにその場を離れ、119番に通報してください。

一度ここまで熱くなったものは、冷めたあとも試しに使い直さず、メーカーや購入先に相談してください。内部で異常が起きている可能性があります。

使っていないのに熱い

使い終えた直後に少し温かいのは余熱です。充電も給電もしていないのにだんだん熱くなる、いつまでも熱さが引かない場合は異常です。内部で意図しない電流が流れている可能性があり、発火につながるおそれがあります。

この状態のものはカバンや引き出しにしまわず、燃え移るものがない場所に置いてください。燃える前に出やすい前兆と対処はモバイルバッテリーが発火する原因|燃える前の前兆と、異常に気づいたときの対処にまとめています。

発熱に加えて膨らみや異臭がある

発熱と同時に本体が膨らんでいる、甘いような刺激臭がする、といった場合は、内部でガスが発生している可能性があります。膨張は元に戻ることがなく、使い続けると破裂や発火の危険があります。

扱い方は膨らんだモバイルバッテリーの保管方法と処分|爆発する?で解説しています。

発熱しやすくなる使い方

異常がなくても、置き方や使い方によって熱がこもりやすくなります。以下は避けたほうがよい状況です。

夏場の車内に置いたままにする

直射日光の当たる車内は、外気温より大幅に高くなります。多くのメーカーが動作温度や保管温度の範囲を製品仕様に記載しており、その範囲を大きく超える環境に置くことは想定されていません。

これは実際の事故にも表れています。消防庁が令和8年3月に公表した調査では、令和7年にモバイルバッテリーから出火した火災482件のうち、原因が特定された105件で「高温下での使用、保管」が23件あり、「外部衝撃」の41件に次ぐ2番目の多さでした(消防庁 令和8年3月26日公表)。NITEも、リチウムイオン電池搭載製品の事故は気温の上昇とともに増え、8月にピークを迎えると注意を呼びかけています(NITE 2026年7月15日)。

日陰に移しても車内全体が高温になるので、車を降りるときは持ち出してください。

カバンの中で高出力充電を続ける

移動中にカバンの中でスマートフォンを充電すると、発生した熱が逃げずにこもります。高出力で充電しているときほど熱量が大きくなるため、密閉された空間では温度が上がりやすくなります。

可能であれば、カバンの外側のポケットなど風が通る場所に入れるか、充電のタイミングを移動中以外にずらすのが安全です。

布団やクッションの上で充電する

布団、毛布、クッション、ソファの隙間などは熱がこもりやすく、万一発火した場合に燃え広がりやすい場所でもあります。充電は硬く平らな場所で行ってください。

枕元での充電は、就寝中に異常が起きても気づきにくいという点でも避けたほうが無難です。

熱くなったときの対処

  1. ケーブルを抜いて充電をやめる。触れられる熱さのときだけ。煙や音が出ているときは近づかない
  2. 燃えやすいものから離す。紙、布、カーテンの近くに置かない
  3. 自然に冷めるのを待つ。冷蔵庫で冷やす、水に浸けるといった方法は結露や短絡の原因になるため行わない(すでに発火している場合は扱いが逆で、消防庁・NITEは火花が収まったあと大量の水で消火し、水没させた状態で消防機関へ通報するよう案内しています)
  4. 冷めたあとに外観を確認する。膨らみ、変形、変色がないか見る
  5. 異常があれば使用を中止する。異常がなくても、触れないほど熱くなったものはメーカーや購入先に相談する

充電できない・残量が増えないといった別の不調もある場合はモバイルバッテリーが充電できない原因と対処法で切り分けられます。使えなくなったものは燃えないゴミには出せません。回収先は【2026年最新】モバイルバッテリーの正しい捨て方で解説しています。

発熱を抑える製品の選び方

製品を選ぶ段階でできる対策もあります。PSEマークの表示があること、過熱保護や過電流保護といった保護機能が明記されていることは、最低限の確認事項です。確認方法はモバイルバッテリーのPSEマーク(安全マーク)とは?どこにあるか・本物の見分け方をご覧ください。

近年は、発火しにくい電池を採用した製品も出てきています。

CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K

5,000mAh・121gで、厚さ8.7mmの薄型モデルです。電池にはメーカーが半固体電池と呼ぶものを使っています。薄くて持ち歩きやすい1台ですが、電池の種類にかかわらず、カバンの中での充電は熱がこもるので避けてください。

Anker Power Bank (10000mAh, 22.5W)

10,000mAh・約200gで、出力は最大22.5W。3台同時に充電でき、そのときは合計22.5Wを分け合います。容量と価格のバランスがよく、買い替え先として選びやすい1台です。

安全性を基準にした選び方は安全なモバイルバッテリーの選び方|半固体・準固体電池の値段と重さで詳しく解説しています。日頃の保管方法はモバイルバッテリーの正しい保管方法と寿命を延ばすコツもあわせてご覧ください。

参考資料

本記事の安全に関わる記述は、以下の公的機関が公表している情報に基づいています。制度や数値は改定されることがあるため、実際の判断は必ずリンク先の最新版をご確認ください。