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膨らんだら、その時点で寿命です。元には戻りません。
充電と使用をやめる → 端子をテープで覆う → 燃えないものの上に置く → 自治体の回収拠点へ持ち込む。
膨らんだモバイルバッテリーで多くの人が困るのは、「危ないのは分かったが、出すまでの数日をどこに置けばいいのか」という点です。
処分するまで、どこに保管するか
膨張は内部でガスが発生しているサインです。放置しても収まらず、進むと発煙・発火に至ります。国民生活センターは、リチウムイオン電池に膨張がみられたら使用を控え、交換または適切に廃棄するよう呼びかけています(見守り新鮮情報 第514号)。
出すまでの数日は、次の条件を満たす場所に置いてください。
| 条件 | 具体的には |
|---|---|
| 燃え移るものが周りに無い | 紙・布・カーテン・段ボールから離す。玄関の三和土(たたき)、浴室、金属トレーの上など |
| 熱がこもらない | 直射日光の当たる窓際、車内、暖房器具の近くは避ける。消防庁の調査でも「高温下での使用、保管」は出火原因の上位 |
| 端子が他の金属に触れない | USB端子にビニールテープを貼る。小銭や鍵と同じ袋に入れない |
| すぐ気づける | 押し入れや引き出しの奥にしまい込まない。異臭や発熱に気づける場所に置く |
水に浸けて保管するのは誤りです。内部に水が入ると短絡や腐食の原因になります。水を使うのは、すでに発火してしまった場合の消火だけです。その場合は扱いが逆で、消防庁とNITEは「火花が収まったら大量の水をかけて消火し、可能な限り水没させた状態で消防機関へ通報する」よう案内しています(NITE「異常・発火時はどうする?」)。
金属製の缶や耐火ポーチがあれば、そこに入れておくとより安全です。ただし密閉すると内部の圧力が逃げないため、蓋は軽く載せる程度にしてください。
保管は短期間で終わらせるのが前提です。次の章の手順で、早めに出してください。
膨らんだものは、どこに出すか
一般ごみには絶対に出せません。ごみ収集車の圧縮や破砕機の圧力で内部が短絡し、発火します。消防庁の調査では、廃棄されたリチウムイオン電池等を回収中の塵芥車・ごみ処理関連施設から出火した火災が、令和4年161件、令和5年171件、令和6年180件と増え続けています(消防庁 令和8年1月29日公表)。
膨らんだものは回収ボックスに入れられないことがある
家電量販店などにある無人の回収ボックスは、膨張したものを対象外としている場合があります。箱に直接入れず、店員に声をかけて確認してください。
自治体も対応が分かれます。当サイトで27自治体の公式案内を1件ずつ確認したところ、集積所に出せる市もあれば、拠点へ持ち込むしかない市、電話で訪問回収を頼む市もありました。膨張したものについては「窓口へ相談」と個別対応にしている自治体が目立ちます。
お住まいの地域の出し方を調べる
横浜市・大阪市・名古屋市など、市区町村ごとの出し方を公式ページの記載にもとづいてまとめています。集積所に出せるのか、拠点へ持ち込むのかは市によって根本から違います。
どの自治体がどういう扱いなのかは、27自治体を調べた結果に書いています。手順や絶縁のやり方、メーカーの郵送回収についてはモバイルバッテリーの正しい捨て方で詳しく書いています。

近くの回収協力店は、JBRCの協力店・協力自治体検索でも探せます。
出す前にやること
持ち込む前に、次の2つを済ませておいてください。受け取ってもらえるかどうかが変わります。
- 端子を絶縁する:USB-CとUSB-Aの差し込み口を、ビニールテープやセロハンテープで覆います。端子がむき出しのまま他の金属と触れると、そこで短絡します
- 1個ずつ袋に入れる:複数まとめて袋に入れると、互いの端子が接触します。透明な袋に1個ずつ入れると、受付でも中身が確認できます
膨張がひどくて持ち運びが不安な場合は、無理に運ばず、自治体の窓口に電話して相談してください。訪問回収に対応している市もあります。
メーカーが引き取る場合もある
一部のメーカーは、自社製品の回収を受け付けています。購入元が分かっていて、そのメーカーが窓口を設けているなら、自治体より確実なことがあります。保証期間内であれば、交換対応になる場合もあります。まず製品に書かれた事業者名で、公式サイトの問い合わせ先を確認してください。
やってはいけないこと
- 穴を開けてガスを抜く:内部ショートを起こして発火します。元に戻す方法はありません
- 冷蔵庫や冷凍庫で冷やす:結露が内部に入り、かえって危険です
- 押さえつける・重しを載せる:圧力で内部が短絡します
- 充電して様子を見る:膨張が確認された時点で充電も給電もやめてください
- 一般ごみに混ぜる:収集車や処理施設の火災につながります
なぜ膨らむのか
リチウムイオン電池は、充放電を繰り返すうちに内部の電解液が分解してガスが発生します。このガスが溜まると外装が膨らみます。進行を早めるのは次の3つです。
- 熱:夏場の車内や直射日光の当たる場所での使用・放置。消防庁の調査では、令和6年のモバイルバッテリー火災290件のうち、原因が判明したものでは「高温下での使用、保管」が27件で上位に入っています
- 衝撃:落下や圧迫で内部の絶縁材(セパレータ)が傷つき、内部ショートを起こします。同じ調査で「外部衝撃」は28件と最多でした
- 過充電・過放電:満充電のまま通電し続ける、あるいは空のまま長期間放置する
発火の全体像と確率についてはモバイルバッテリーの発火確率は?で、日頃の保管で劣化を遅らせる方法は正しい保管方法と寿命を延ばすコツでまとめています。
膨らむ前に気づくには
外装が目に見えて膨らむ前に、次のような変化が出ます。
- 満充電にしてもスマホを充電できる回数が目に見えて減った
- 使用中に以前より熱を持つようになった
- 本体が平らな机の上でカタカタと揺れる(底面が膨らんでいる)
- 継ぎ目が浮いている、外装やディスプレイが押し上げられている
買い替えどきの目安はモバイルバッテリーの寿命と買い替えの目安に書いています。
膨らませないための使い方
完全には防げませんが、進行を遅らせることはできます。
- 車内に置きっぱなしにしない:夏場のダッシュボード付近は60℃を超えます。上に挙げたとおり、高温は出火原因の上位です
- ながら充電を避ける:スマホを充電しながら動画やゲームを使うと、本体が発熱したまま充電が続きます
- 満充電のまま放置しない:充電が終わったらケーブルを抜きます。逆に、空のまま何か月も置くのも劣化を早めます
- PSEマークと事業者名を確認して買う:本体かパッケージに、丸形のPSEマークと製造・輸入事業者の名前が並んで書かれているかを見てください。確認方法はPSEマークとは?安全基準と確認方法で解説しています
膨らみにくいものに買い替える
膨張は内部でガスが発生した結果なので、電解質そのものが違えば起きにくくなります。ここ1〜2年で増えたのが半固体・準固体電池のモデルです。電解質の流動性を抑えてあり、ガスの発生と液漏れを抑える設計になっています。
サイクル寿命を2,000回と公表しているメーカーもあります(一般的なリチウムイオン電池は約500回とされます)。劣化しにくければ、そもそも膨らむところまで行きません。
CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K

5,000mAh・121g、厚さ8.7mm。半固体電池を採用した薄型モデルです。カバンに入れっぱなしにしがちな人に向きます。
エレコム DE-C86-10000BK

10,000mAh・最大35W、約220gの半固体モデル。充放電回数から電池の状態を診断する「Health Monitor」を備えており、膨らんでから気づくのではなく、その前に買い替えどきが数字で分かります。
ほかの半固体・準固体モデルは発火しにくいモバイルバッテリー14選で比較しています。選び方の考え方は安全なモバイルバッテリーの選び方に書いています。
よくある質問
膨らんだモバイルバッテリーはどこに保管すればいいですか?
紙や布などの燃え移るものから離し、金属トレーや玄関の三和土など燃えない場所に置いてください。直射日光の当たる窓際や車内、暖房器具の近くは避けます。USB端子にはビニールテープを貼り、小銭や鍵と同じ袋に入れないでください。押し入れの奥にしまい込まず、異臭や発熱に気づける場所に置き、数日のうちに処分してください。水に浸けて保管するのは誤りで、内部に水が入ると短絡や腐食の原因になります。
膨らんだモバイルバッテリーの捨て方は?
一般ごみには出せません。ごみ収集車の圧縮で発火するためです。自治体によって出し方が根本から違い、集積所に出せる市もあれば、拠点へ持ち込む市、電話で訪問回収を頼む市もあります。お住まいの市区町村の公式案内を確認してください。家電量販店の無人回収ボックスは、膨張したものを対象外としている場合があるため、箱に入れず店員に相談してください。
膨らんだバッテリーを元に戻す方法はありますか?
ありません。針などで穴を開けてガスを抜く、冷やす、押さえつけるといった行為は、内部ショートを誘発して発火する恐れがあり非常に危険です。膨張が確認された時点で寿命なので、使用と充電をやめて処分してください。
モバイルバッテリーはなぜ膨張するのですか?
充放電を繰り返すうちに内部の電解液が分解してガスが発生し、それが溜まって外装を押し広げるためです。進行を早めるのは熱・衝撃・過充電の3つで、消防庁の調査でも令和6年のモバイルバッテリー火災290件のうち、原因が判明したものでは外部衝撃28件、高温下での使用・保管27件が上位でした。
膨らみにくいモバイルバッテリーはありますか?
半固体・準固体電池を採用したモデルは、電解質の流動性を抑えてあり、ガスの発生と液漏れを抑える設計になっています。サイクル寿命を2,000回と公表しているメーカーもあり(一般的なリチウムイオン電池は約500回とされます)、劣化しにくいぶん膨張に至りにくくなります。
参考資料
制度や数値は改定されることがあります。
- 国民生活センター 見守り新鮮情報 第514号「リチウムイオン電池の膨張、発煙・発火に注意」(2025年6月19日)(確認日:2026年9月28日)
- NITE(製品評価技術基盤機構)「モバイルバッテリー 異常・発火時はどうする?」(確認日:2026年9月28日)
- 総務省消防庁「リチウムイオン電池等から出火した火災の調査結果の公表」(令和8年1月29日)(確認日:2026年9月28日)
- 一般社団法人JBRC「協力店・協力自治体検索」(確認日:2026年9月28日)
- 環境省「リチウム蓄電池関係」(確認日:2026年9月28日)



