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落とした直後に充電器やスマホへつながないでください。通電した瞬間に内部でショートすると、発火につながります。
そのうえで、膨らみ・変形・ひび・発熱・異臭・液漏れ・充電できないの7つを確認します。1つでも当てはまれば使用をやめて処分してください。すべて問題なければ、数回は目の届く場所で充電しながら様子を見ます。
落とした高さで判断できる公的な基準はありません。高さではなく、上の7つの症状で決めます。
落とした直後にやること:充電器に挿さない
落とした直後に最もやってはいけないのは、動作確認のために充電器やスマートフォンへつなぐことです。内部で電極が損傷している場合、通電した瞬間にショートして激しく発熱・発火する恐れがあります。
まずは電源から離したまま、手に持てる温度かどうかだけを確かめてください。すでに熱くなっている、焦げたようなにおいがする場合は、その場で燃えやすいものから離してください。机の上の紙類や布の上に置いたままにしない、というだけでも被害の大きさが変わります。
確認は落とした直後だけでなく、数時間後にもう一度行ってください。内部の損傷は、ぶつけた直後ではなく時間をおいてから熱を持ち始めることがあります。
そのまま使っていいか:7項目で判断する
次の7つを順に確認し、1つでも当てはまれば使用をやめて処分してください。当てはまらなければ、様子を見ながら使い続けて構いません。
| 確認すること | 見分け方 | 当てはまったら |
|---|---|---|
| 膨らみ | 平らな机に置いてガタつく。継ぎ目が開いている | 即中止。内部でガスが出ています |
| 変形・ひび | 角がつぶれている。外装が割れて中が見える | 即中止 |
| 発熱 | 使っていないのに温かい。触れないほど熱い | 即中止。離れた場所へ |
| 異臭 | 焦げくさい。甘酸っぱい薬品のようなにおい | 即中止。電解液が漏れている可能性があります |
| 液漏れ | 表面が湿っている。べたつく | 即中止。素手で触らない |
| 充電できない | つないでも反応しない。残量表示が飛ぶ | 即中止。再充電を試さない |
| 音 | 振るとカラカラ鳴る | 即中止。内部で部品が外れています |
このうち膨らみは最も分かりやすく、最も危険なサインです。平らな机に置いて本体を指で押し、片側が浮いて回るようなら膨張しています。判断に迷う場合は膨らんだモバイルバッテリーの保管方法と処分で写真つきの見分け方をまとめています。
「何cmから危ない」という基準は存在しない
消費者向けに「この高さまでなら安全」と定めた公的な基準はありません。落下の高さだけで安全かどうかは判断できないため、前章の7項目で決めてください。
製品の安全性を確かめる技術基準は存在します。経済産業省は、モバイルバッテリーに用いるリチウムイオン蓄電池の技術基準としてJIS C 62133-2 を示しています(経済産業省「モバイルバッテリーの規制に関するFAQ」)。ただしこれは新品を決められた条件で試験する規格であり、あなたが落とした1台が無事かどうかを保証するものではありません。
実際のダメージを決めるのは、高さよりも次の3つです。
- 当たった面……コンクリートやタイルは、カーペットや土よりはるかに強い力が加わります
- 当たり方……面ではなく角から落ちた場合、力が一点に集中します
- 本体の重さ……同じ高さでも、重いほど衝撃は大きくなります
3つ目は見落とされがちです。当サイトが掲載している265製品の重さを容量帯ごとに集計すると、中央値は次のようになります。

20,000mAh級の中央値415gは、5,000mAh級121gの約3.4倍です。同じ机の高さから落としても、大容量モデルのほうが本体にも内部のセルにも大きな力が加わります。大きいものを落としたときほど、確認は念入りにしてください。
落とした後に充電できない・充電が遅いとき
落とした後に充電できなくなったのは、内部で断線かショートが起きているサインです。何度も挿し直して再充電を試さないでください。
ケーブルや充電器を変えても反応しない、残量表示が急に増減する、満充電にしたはずなのにすぐ空になる。これらは落下によって基板や保護回路が損傷したときに出る症状です。保護回路が壊れている場合、過充電や過放電を止める仕組みが働かなくなっているおそれがあります。
「充電はできるが以前より遅い」という場合も、落下前と明らかに変わったのであれば使用を続けないでください。落下と無関係な経年劣化と区別がつかないことも多いのですが、落とした直後から変わったのなら、原因は落下と考えるのが自然です。
なお、落下と関係なく充電できなくなった場合の切り分けはモバイルバッテリーが充電できない原因と対処法にまとめています。
見た目に異常がないときは、どうするか
7項目すべてに当てはまらなければ、使い続けて構いません。ただし落とした後の数回の充電は、目の届く場所で行ってください。
具体的には、就寝中や外出中の充電を避け、日中の在宅時に充電します。置き場所は木の机やカーペットの上ではなく、金属のトレーや流し台など、燃え移るものがない面を選びます。この状態で2〜3回の充放電を問題なく終えられれば、通常の使い方に戻して差し支えありません。
ここで挙げた「数回」「2〜3回」という回数に公的な根拠はなく、異常が表面化するまでに時間がかかることがあるという性質からの当サイトの目安です。不安が残るなら、次章のデータを踏まえて買い替えを検討してください。
落下・衝撃はモバイルバッテリー火災の原因1位
令和6年にモバイルバッテリーから出火した火災290件のうち、原因が判明した95件では「外部衝撃」が28件で最多でした。次いで「高温下での使用、保管」が27件です。

この調査は総務省消防庁が全国の消防機関の報告を取りまとめたもので、リチウムイオン電池等から出火した火災は令和4年601件 → 令和5年739件 → 令和6年982件と増え続けています。そのうち製品別で最も多いのがモバイルバッテリーの290件でした(総務省消防庁 令和8年1月29日公表)。
「外部衝撃」と判定された件数そのものも増えています。

ぶつけた・落としたことが、その場ではなく後から火災として表面化しているということです。落とした直後に何ともなくても油断できないのは、このためです。
国民生活センターも「落下などで電池に衝撃が加わると、発煙・発火を伴う事故につながる可能性も考えられます」として、持ち運びや保管時の取り扱いに注意し、膨張が見られたら使用を控えるよう呼びかけています(国民生活センター 見守り新鮮情報 第514号)。
異常が出たものを、処分するまでどこに置くか
使用をやめたモバイルバッテリーは、電極部分を絶縁テープで覆い、燃えやすいものから離れた場所に置いてください。玄関の土間、金属製のフタ付き缶、ベランダのコンクリート面などが向きます。
避けるべき置き場所は、紙や布に囲まれた引き出し、直射日光の当たる車内、暖房器具のそばです。また処分するまでの間に水へ浸けないでください。内部に水が入ると短絡や腐食の原因になります。
持ち運ぶ必要がある場合は、難燃素材のポーチに入れると、万一のときに周囲へ燃え移るまでの時間を稼げます。ただしこれは延焼を遅らせるための道具であって、発火そのものを防ぐものではありません。メーカー自身も「不燃製品ではない」と明記しています。詳しくはモバイルバッテリーの耐火ポーチは意味ある?難燃との違いと選び方に書いています。
万が一発火した場合、NITE(製品評価技術基盤機構)は「煙や炎が噴き出している時は絶対に近寄らない。火花が収まったら大量の水をかけて消火し、可能な限り水没させた状態で消防機関へ通報する」と案内しています(NITE「モバイルバッテリー 異常・発火時はどうする?」)。対処が難しいと判断したら、身の安全を確保して119番してください。
落としたモバイルバッテリーの捨て方
モバイルバッテリーは、ほとんどの自治体で可燃ごみ・不燃ごみとして出せません。環境省もリチウム蓄電池は分別して拠点回収などに出すよう市町村へ方針を示しています(環境省「リチウム蓄電池関係」)。
落下で破損・膨張しているものは、家電量販店の無人リサイクルボックスに直接入れないでください。回収の過程で圧力がかかると発火の危険があります。カウンターのスタッフに状態を伝えて手渡すか、自治体の拠点回収の窓口へ持ち込みます。
お住まいの自治体でどう出せばよいかは【2026年最新】モバイルバッテリーの正しい捨て方に、27自治体の実際の回収方法を調べてまとめています。
よくある質問
モバイルバッテリーを落としたらどうなりますか?
外観に傷がなくても、内部の電極や絶縁材(セパレータ)が損傷していることがあります。損傷した状態で使い続けると、内部でショートして急激に発熱する「熱暴走」を起こし、発火につながる可能性があります。総務省消防庁の調査では、令和6年にモバイルバッテリーから出火した火災290件のうち、原因が判明した95件では「外部衝撃」が28件で最多でした。落とした直後に何ともなくても、時間をおいてから異常が出ることがあります。
どのくらいの高さから落としたら危険ですか?
消費者向けに「この高さまでなら安全」と定めた公的な基準はありません。経済産業省が示すリチウムイオン蓄電池の技術基準(JIS C 62133-2)は新品を決められた条件で試験するもので、落とした1台の安全を保証するものではありません。実際のダメージは高さよりも、当たった面が硬いか、角から落ちたか、本体が重いかで決まります。高さではなく、膨らみ・変形・発熱・異臭・液漏れ・充電できない・異音の7項目で判断してください。
落としたら充電できなくなりました。使えますか?
使わないでください。落とした後に充電できなくなったのは、内部で断線かショートが起きているサインです。何度も挿し直して再充電を試すと、通電のたびに発熱・発火のリスクが上がります。ケーブルや充電器を変えても反応しない、残量表示が急に増減する、すぐ空になるといった症状も同じです。保護回路が損傷している場合、過充電や過放電を止める仕組みが働かなくなっているおそれがあります。
落としたモバイルバッテリーは、処分するまでどこに置けばいいですか?
電極部分(USBポートなど)を絶縁テープで覆い、燃えやすいものから離れた場所に置いてください。玄関の土間、金属製のフタ付き缶、ベランダのコンクリート面などが向きます。紙や布に囲まれた引き出し、直射日光の当たる車内、暖房器具のそばは避けてください。また、処分するまでの間に水へ浸けないでください。内部に水が入ると短絡や腐食の原因になります。ただし実際に発火した場合の対処は逆で、NITEは火花が収まったら大量の水をかけ、可能な限り水没させた状態で消防機関へ通報するよう案内しています。
見た目に異常がなければ、そのまま使い続けて大丈夫ですか?
7項目に当てはまらなければ使い続けて構いませんが、落とした後の数回の充電は目の届く場所で行ってください。就寝中や外出中の充電を避け、日中の在宅時に、金属のトレーや流し台など燃え移るものがない面の上で充電します。2〜3回の充放電を問題なく終えられれば、通常の使い方に戻して差し支えありません。なおこの回数に公的な根拠はなく、異常が表面化するまでに時間がかかるという性質からの当サイトの目安です。
充電器やケーブルを落とした場合も交換が必要ですか?
ACアダプターやケーブルも、落下で内部の基板や配線が断線・変形していることがあります。使用時に火花が出る、異常に熱くなる、接続が不安定になるといった症状が出たら使用を中止して交換してください。外観に問題がなくても、被覆の内側で芯線が折れていることがあります。
落下後に異常があれば、買い替えてください
膨らみ・発熱・異臭・充電できないといった症状が出ている場合、内部で損傷が起きています。修理して使い続ける製品ではないので、処分して新しいものに替えてください。以下は当サイトで実際に仕様を確認している2製品です。
SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.0 SS5K

5,000mAh・121g、厚さ8.7mm。半固体電池を採用した薄型モデルです。重さは5,000mAh級の中央値121gとちょうど同じで、この容量帯としては標準的。毎日持ち歩いて落とす機会が多いなら、軽いほうが落下時の衝撃も小さくなります。
Anker Power Bank (10000mAh, 22.5W)
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10,000mAh・約200g、最大22.5W出力。実際に取り出せるのは約6,500mAhで、スマートフォンなら約2回ぶんです。重さは10,000mAh級の中央値202gとほぼ同じ。落として買い替える場合、同じ容量帯で選び直すならこのあたりが基準になります。
選び方の詳細は安全なモバイルバッテリーの選び方|半固体電池と発火対策でまとめています。
参考資料
制度や数値は改定されることがあります。
- 総務省消防庁「リチウムイオン電池等から出火した火災の調査結果の公表」(令和8年1月29日)(確認日:2026年9月29日)
- 経済産業省「モバイルバッテリーの規制に関するFAQ」(確認日:2026年9月29日)
- NITE「モバイルバッテリー 異常・発火時はどうする?」(確認日:2026年9月29日)
- 国民生活センター 見守り新鮮情報 第514号「リチウムイオン電池の膨張、発煙・発火に注意」(2025年6月19日)(確認日:2026年9月29日)
- 環境省「リチウム蓄電池関係」(確認日:2026年9月29日)
- 一般社団法人JBRC「協力店・協力自治体検索」(確認日:2026年9月29日)


